企業誘致にはメリットとデメリットはあるの？注意点についても解説！

企業誘致で企業が地方に進出をするには多くのメリットがある一方で、デメリットも存在しているため慎重に考える必要があります。

企業誘致によって、地域経済の活性化や人口の増加、雇用創出、税収増加に加えて地方の生活環境や物価が良いことから、優秀な人材の確保や社員の定着率が高まる可能性があります。

しかし、企業誘致は上記のようにいいことばかりではなく、企業が地方に進出する場合、設備移送や従業員の地方移住など誘致には多くのコストや手間がかかることや、地方には求人が少ないため、優秀な人材の確保が難しいことなど多くのデメリットもあります。

この記事では、企業誘致についてのメリットとデメリットについて徹底解説しています。

企業誘致のメリット

企業誘致で地方に進出することでどういったメリットがあるのでしょうか。

ここでは、企業誘致するメリットについて詳しくご紹介していきます。

メリット①｜人材確保の容易化

首都圏や大都市圏に比べ、地方では人材不足が深刻化しています。そこで企業が地方に進出することで、その地域における雇用創出が期待できます。

地方には将来的に高齢化が進むことが予想されていますが、地方に移住した若者層による人口定着が促進されるため、地方における人材不足問題の緩和にもつながります。

また、大都市圏では多くの企業が人材を求めて競い合っているため、人材獲得が困難となっていますが、地方においては求職者数が少なく、人材獲得がしやすいです。
さらに地方には大学や研究機関がある場合もあるため、優秀な人材を確保することができます。

メリット②｜コスト削減

首都圏や大都市圏に進出することには、不動産や人件費などの高コストが伴います。
しかし、地方に進出することで、これらのコストを削減できます。

地方には比較的安価な土地や物件があり、また、人件費も都市部に比べ低い傾向があるため、コスト削減を図ることができ、企業の経営効率向上につながります。

また、政府や地方自治体からの補助金や税制優遇措置を受けることができる場合もあるため、企業は低コストで事業を展開することができます。

メリット③｜地域との協力関係の構築

地方に進出することで、その地域との協力関係を構築することができます。

企業は地域において重要な存在として認知され、地域との協力関係により、ビジネスチャンスを増やすことができます。

また、地方自治体からの支援も期待でき、地域とのパートナーシップにより、より良いビジネス環境が構築されます。

メリット④｜ブランド価値の向上

地方に進出することで、企業のブランド価値が向上することがあります。

地方においては、大手企業が進出することが少なく、地域経済に貢献することはその地域にとって大きな意味を持つため、地方に進出することで企業の社会的責任感や地域貢献度が高まり、ブランド価値の向上につながります。

メリット⑤｜災害リスクの削減

大都市圏に比べ、地方は自然災害のリスクが低い傾向があります。

企業は、地震や洪水などの自然災害によるリスクを低減するために、地方に拠点を置くことが求められています。

企業誘致のデメリット

上記ではメリットについてご紹介してきましたが、企業誘致で地方に進出をするとき企業にとっては、様々な問題が起こる可能性があります。

ここでは企業誘致をするときに企業に起こりうるデメリットについて解説していきます。

デメリット①｜取引先や顧客とのコミニケションに支障が出る

企業誘致による企業の移転や新設が進むと、本社や顧客・取引先などが拠点を置いている都市から離れてしまうため、取引先とのコミュニケーションに支障が出る可能性があります。

例えば、取引先との打ち合わせや調整が必要になった場合に、遠方の地方に拠点を構える企業は移動が必要になり、時間や費用がかかってしまうことがあります。

デメリット②｜ITインフラ設備が不十分

地方では、都市部に比べてITインフラ設備の整備が不十分であることがあります。 地方には大規模なデータセンターや高速インターネット回線などが不足しており、企業がITを活用する上での制約となることがあります。

また、地方には技術者やエンジニアの確保も難しい傾向があり、ITシステムの運用や保守に必要な人材不足も課題となっています。

このような問題があるため、地方に進出する企業は、ITインフラ整備や技術者の確保についても十分な対策を講じる必要があります。

デメリット③｜設備移送にコストや手間がかかってしまう

企業誘致する場合、既存の設備を移送する必要がある場合があり、設備を移送するためのコストや手間がかかってしまいます。

例えば、大型機械や製造ラインの移送には、専門的な技術や重機が必要となり、高額な費用がかかる場合があります。

また、設備を分解したり再構築したりする必要がある場合もあり、これによって生産ラインの稼働が停止することも考えられます。さらに、移送先の地方では、設備を受け入れるための工場や施設が整備されていない場合もあり、その場合新たに建設や改修を行う必要があり、これによって追加的なコストや手間が発生することもあります。これらの理由から、企業誘致には、設備移送に伴うコストや手間がかかるというデメリットがあります。

デメリット④｜地方移住を望まない従業員が出てくる

企業誘致を行う場合、その地方に住むことを希望しない従業員が出てくることがあります。これは、地方と都市部とで生活環境や生活スタイルの違いが大きいため、地方移住を望まない従業員が出てしまうからです。

都市部に比べて商業施設や交通機関の整備が不十分なため、生活に不便を感じることがあることや、教育や医療などの社会インフラが整備されていないことがあることが挙げられます。
また、地方と都市部とでの人々の意識や価値観の違いによっても、地方移住を望まない従業員が出てしまうことがあります。

例えば、都市部では当たり前のように利用されている文化施設や娯楽施設が地方には存在しなかったり、地方では家族や地域社会とのつながりを重視する傾向があるため、単身赴任を希望しない場合もあるでしょう。

デメリット⑤｜優秀な社員が退職してしまう可能性

企業誘致によって、本社を置いている都市部から地方に移転する場合、従業員たちが本拠地から離れることになる可能性も出てくるため、地方移住を望まない従業員が出てくる可能性があります。

また、地方に住むことを希望する従業員でも、配偶者の転職や子供の学校などの環境面での問題がある場合、退職することがあります。

特に、優秀な社員が退職する可能性が高いとされており、優秀な社員は他の企業からのオファーを受ける可能性が高く、地方に移住することで市場価値が下がることを恐れる場合があります。

また、地方の企業が、都市部に本社を置いている企業に比べて規模が小さいこともあり、キャリアアップの機会が限られることがあります。

デメリット⑥｜求人に弱い

地方では、求人市場が都市部と比べて狭いため、需要と供給のバランスが取りにくい状況があります。また、地方には大手企業や有名企業が少ないため、地元の中小企業や地方公共団体が求人を出すことが多いです。

そのため、求人数が少ないことが課題となっています。

また、地方においては人口減少や高齢化が進んでおり、若年層の流出が問題視されているため、若年層を中心に求職者数が少なく、企業側も採用に苦労することがあります。

企業誘致の進出先での注意点

企業誘致の進出先の選び方には、慎重な検討が必要です。

以下は、企業誘致の進出先の選び方の注意点です。

選び方の注意点①｜地方の特性を把握する

地方の特性を把握することで、その地域に合った産業やビジネスの需要を理解し、地域の経済発展に貢献することができます。

例えば、人口が高齢化している地域では、医療関連のビジネスに注力することができます。

選び方の注意点②｜地方のインフラや人材の状況を確認する

地方によって、インフラや人材の状況が異なります。

例えば、交通アクセスが不便な地域では、物流やサービス業において課題が生じる可能性があります。また、人材の質や量も地域によって異なりますが、それぞれの地域の状況を確認することで課題を把握し、対策を講じることができます。

選び方の注意点③｜地方自治体の支援制度を確認する

地方自治体には、企業誘致を支援する制度があります。

それぞれの自治体の制度を把握し、自社のビジネスとマッチするものを選択することで、より効果的な誘致を行うことができます。

選び方の注意点④｜競合他社の状況を確認する

企業誘致は、他社との競合も考えなければなりません。

他社が誘致を行っている場合は、その状況を把握し、自社の強みや差別化点を考慮して戦略を立てる必要があります。

企業誘致先のおすすめは札幌市

企業誘致先で迷っているならば札幌市がおすすめです。

札幌市は北海道の中心都市であるため、ITや医療、観光、食品加工など、多様な産業が集積しており、少し離れた場所では豊かなな自然環境と都市機能の両方を兼ね備えているため、ビジネスチャンスも豊富です。

さらに、交通のアクセスも良く、国内外からのアクセスも容易なため、海外企業の進出にも適した環境です。

札幌市には、企業誘致のために専門の組織や担当者が存在し、企業がスムーズに進出できるような支援体制も整っています。

札幌市はとても分厚い補助金制度もあるため、気になる方は以下の記事も併せてご覧ください。

• 札幌市の企業誘致「IT・コンテンツ・バイオ立地促進補助金」とは？補助額や条件を解説！

• 札幌市の企業誘致「コールセンター・バックオフィス立地促進補助金」とは？補助額や条件を解説！

企業誘致のメリットやデメリット｜まとめ

企業誘致を検討する際には、慎重に検討する必要があります。

企業誘致によって得られるメリットは多く、地域の活性化にもつながる可能性がありますが、企業誘致には設備移送に伴うコストや従業員の地方移住の難しさなど、様々なデメリットが存在します。

さらに、企業誘致を進めることによって、都市圏との人材や取引の格差が広がるというデメリットも指摘されています。

企業誘致を進める場合には、慎重にメリットとデメリットを比較し、社会的な責任を果たすことが求められます。

また、地方自治体側も企業誘致の際には産業振興や雇用創出など、地域の発展に資する条件を整備することが必要です。

企業誘致は、企業と地域の双方にとってメリットをもたらす可能性がある重要な施策であり、慎重な検討と実践が求められるため、企業誘致する際は十分に準備をし計画を経てることをおすすめします。