香川県の企業誘致「企業立地優遇制度」とは?補助額や条件を解説!
工場の新設や移転を計画する際、多額の初期投資をいかに抑えるかは重要な経営課題ですよね。
香川県を候補地としてリサーチしているものの、具体的な助成金や優遇制度がわからずお困りではないでしょうか。
本記事では、香川県の「企業立地優遇制度」について、対象となる施設分類から具体的な補助額、満たすべき要件、申請の流れ、さらに補助金以外のメリットまでを徹底解説します。
最後まで読めば、貴社が活用できる制度が明確になり、コスト削減と事業拡大を両立させる具体的な計画が立てられるようになります。
目次
香川県|企業立地優遇制度の概要

香川県は、企業の新たな挑戦を支援するため、手厚い優遇制度をパッケージで用意しています。
中心となるのは、初期投資や雇用にかかるコストを直接支援する「企業誘致助成制度」です。
他にも、税制面で大きなメリットが期待できる地域未来投資促進法支援制度や、環境対応工場を後押しするカーボンニュートラル助成制度、本社機能の移転・拡充を支える制度も充実しています。
香川県|企業立地優遇制度の対象企業

香川県の「企業誘致助成制度」は、どのような施設でも対象となるわけではありません。
企業誘致助成制度を受けるには、県が産業の振興に資すると定めた、特定の施設分類に該当する必要があります。
具体的には、企業が検討する「工場」はもちろん、物流の拠点や情報処理関連の施設、研究施設などが対象です。
貴社が計画している施設がどれに当てはまるか、次の分類で確認してみましょう。
助成対象となる主要な施設分類
助成対象となる主な施設は、以下の4つの分類に分けられます。
| 施設分類 | 概要 |
|---|---|
| 工場 | 日本標準産業分類の製造業にあたる工場を指し、植物工場も対象に含まれます。 |
| 物流拠点施設 | 製品や原材料などの流通を目的とし、包装、荷役、保管などを行う施設が該当します。 |
| 情報処理関連施設 | ソフトウェア業やインターネットサービス業のほか、コールセンター、事務処理センターも対象となります。 また、映像・広告制作やデジタルコンテンツのデザイン業といったクリエイティブ産業も含まれます。 |
| 試験研究施設 | 研究開発を行う施設も対象となります。 |
これらの施設の新設や増設が助成の基本となりますが、店舗や営業所は対象外となるため注意しましょう。
香川県|企業立地優遇制度の補助額と条件

助成金を受けるためには、もちろん一定の条件をクリアする必要があります。
特に重要なのが「どれくらいの投資をするか」という投下固定資産額と、「何人を新しく雇うか」という新規常用雇用者数です。
これらは施設の種類によって基準が細かく定められています。
ここでは、企業立地優遇制度の補助額と条件について解説します。
【条件】主要要件となる「投下固定資産額」と「新規常用雇用者数」
助成制度の適用には、主に「投下固定資産額」と「新規常用雇用者数」の2つの要件を満たすことが必要です。
これらの基準額や人数は、設置する施設の種類によって異なります。
例えば、「工場」や「試験研究施設」をはじめて設置する場合は以下の2つを満たすことが求められます。
・投下固定資産額:5億円以上
・新規常用雇用者数:10人以上
これが「物流拠点施設」(1回目)の場合は、投下固定資産額10億円以上、新規常用雇用者数10人以上となります。
また「大規模データセンター」では投下固定資産額20億円以上、新規常用雇用者数5人以上と、施設ごとに要件が設定されています。
自社の計画がどの基準に該当するか、確認することから始まるでしょう。
【補助額】投資・雇用に対する主な助成内容
助成内容は、主に「投資」と「雇用」の2つの柱で構成されています。
「投資に対する助成」では、工場や設備などの投下固定資産額に、定められた助成率をかけて計算します。
例えば、工場(1回目)の場合は10%、物流拠点施設(1回目)は5%が助成率です。
「雇用に対する助成」は、一定数を超えた新規常用雇用者1人当たりで計算されます。
具体的には、11人目以降は1人50万円、51人目以降は1人100万円が助成されます。
【補助額】情報処理関連施設等への特例と助成限度額
情報処理関連施設やコールセンターなどには、特別な補助が用意されています。
設備投資への助成に加えて、オフィスの賃借料や通信回線使用料も対象となる点が特徴です。
例えば、事務所賃借料の50%を最長5年間補助する、といった内容が含まれます。
ただし、この助成制度には、原則として1つの施設あたり5億円という限度額が設定されている点に注意しましょう。
香川県|企業立地優遇制度の申請方法

助成金を受け取るには、決められた手順で申請を進める必要があります。
特に重要なのが、工事に「着手する前」に申請を済ませることです。
ここでは、申請から助成金交付までの基本的な流れについて解説します。
申請から交付までの基本的な流れ
申請から交付までの基本的な流れは、大きく3つのステップで進みます。
特に、申請のタイミングが重要なので、確認していきましょう。
| ステップ | タイミング | 主な手続き・内容 |
|---|---|---|
| ステップ1 | 工事着手30日前まで | 指定申請:県に対して「指定申請」を行い、承認されると県から「指定」を受けます。 |
| ステップ2 | 業務開始後(原則、工事着手から1年以内 ) | 交付申請:業務がスタートしたら、県に対して「交付申請」を行います。 |
| ステップ3 | 交付申請の後 | 交付決定・請求・交付:県の現地調査などで要件が確認されると「交付決定」が出されます。 その後、企業は「請求書」を提出し、助成金が交付されます 。 |
このように、工事に着手する前の「指定申請」がすべてのスタートとなります。
申請・適用における主な注意点
申請手続きを進める上で、特に注意すべき点がいくつかあります。
それは、助成額の計算ベースとなる「投下固定資産額」や「新規常用雇用者」の定義を正しく理解しておくことです。
もしこの定義を誤解していると、対象だと思っていたものが対象外となり、予定していた助成金が受け取れなくなるリスクがあります。
例えば、以下の点は必ず確認しておきましょう。
| 用語 | 対象 | 対象外 |
|---|---|---|
| 投下固定資産額 | ・家屋、償却資産 ・福利厚生施設 ・託児施設 |
・原則、土地の取得費用 ・店舗、営業所 |
| 新規常用雇用者 | <下記すべてを満たす者> ・雇用保険に加入 ・週30時間以上労働 ・香川県に住民登録 |
・派遣労働者 ・営業、販売に従事する者 |
また、交付決定後も、3年間にわたり操業状況や雇用状況を報告する必要があります。
香川県|企業立地優遇制度のメリット

香川県に立地するメリットは、これまで解説した助成金だけではありません。
企業のコスト負担をさらに軽減する「経済的なメリット」や、立地後の事業運営をスムーズにする「手厚いサポート体制」も充実しています。
これらが助成金と合わさることで、香川県での事業スタートと継続がより確実なものになります。
助成金以外の経済的メリット
助成金以外にも、税金面での優遇や他の制度との併用といった経済的メリットが用意されています。
例えば、「地域未来投資促進法支援制度」を活用できる場合があります。
これは、先進的な事業に対する国の確認などを受けると、法人税の特別償却や税額控除、さらに不動産取得税の課税免除といった税制優遇を受けられるものです。
また、県内市町が独自に設けている助成制度と、県の制度を「併用」できる点も大きな魅力と言えるでしょう。
助成金とこれらの優遇策を組み合わせることで、コストメリットを最大化する計画が立てられます。
手厚いサポート体制
香川県は、企業が立地した後も安心して事業を続けられるよう、手厚いサポート体制を整えています。
助成金だけでなく、企業が直面する課題解決や、最も重要な「人材の確保」まで支援しているのが特徴です。
県には「ワンストップサービス窓口」が設けられており、立地時の情報提供から操業後の課題まで、迅速に対応してもらえます。
さらに、立地後に重要となる人材の確保も強力に支援しています。
県が設置した「ワークサポートかがわ」などをはじめとして、充実したサポート体制が整っています。
香川県の企業誘致「企業立地優遇制度」とは?補助額や条件を解説!|まとめ
本記事では、香川県の企業立地優遇制度について、対象となる施設分類から具体的な補助額、満たすべき要件、申請の流れ、そして助成金以外のメリットまで詳しく解説しました。
工場の新設や拠点の移転において、「投下固定資産額」や「新規常用雇用者数」の要件を満たせば、投資や雇用に対する手厚い助成が受けられます。
申請手続きでは、必ず工事に着手する30日前までに「指定申請」を行う点が最も重要です。
助成金だけでなく、税制優遇や立地後のワンストップサポート、人材確保の支援体制が整っている点も大きな魅力と言えるでしょう。
貴社の事業拡大とコスト削減を実現する選択肢として、まずは自社の計画が対象になるか、香川県の窓口に相談してみてはいかがでしょうか。
